2024年から建築施工管理技士の受験資格が緩和!必要な実務経験や合格率について解説

皆さん、こんにちは。京都府京都市を拠点に、住宅の新築工事やリフォーム・リノベーション工事を手掛けている美家(びはうす)です。


工事をする時は、現場全体の責任者である「施工管理」という役職が必ず配置されます。そして、施工管理のスキルを証明する国家資格が「施工管理技士」です。施工管理としてキャリアアップするなら、施工管理技士の資格は必須といえます。


そんな施工管理技士ですが、実は2024年度から受験制度が改正され、以前に比べて取得しやすくなりました。そこで今回は、美家の業務に関係する「建築施工管理技士」の特徴や受験資格、試験の難易度について詳しく解説します。




■施工管理技士の資格は7種類



施工管理技士の資格は全7種類に分かれており、それぞれ異なる分野の工事の施工管理スキルを認定します。どの資格がどのような工事に対応しているのかを簡単に確認しておきましょう。



・建築施工管理技士


建築施工管理技士は、個人住宅やマンション、ビル、商業施設といった「建物」全般の工事の施工管理スキルを認定します。



・土木施工管理技士


土木施工管理技士は、道路や橋梁、河川、港湾、上下水道といった「土木工事」の施工管理スキルを認定します。建物を除く建造物を作る工事に関わると考えていいでしょう。



・電気工事施工管理技士


電気工事施工管理技士は、建物内の電気配線や配電盤、照明、送電線など、各種電気設備の工事の施工管理スキルを認定します。



・管工事施工管理技士


管工事施工管理技士は、ダクトや給排水管、ガス管といった「管」に関する工事の施工管理スキルを認定します。その性質上、空調や水まわり設備の工事に数多く携わります。



・電気通信工事施工管理技士


電気通信工事施工管理技士は、2019年に新設された資格です。主に電話やインターネット関連の工事の施工管理スキルを認定します。



・建設機械施工管理技士


建設機械施工管理技士は、ブルドーザーやショベルカーといった、各種建設機械を用いた工事の施工管理スキルを認定します。



・造園施工管理技士


造園施工管理技士は、公園・庭園・広場・緑地といった場所の工事の施工管理スキルを認定します。


美家は建物のリフォーム・リノベーションを手掛けているので、弊社の施工管理が取得すべき資格は建築施工管理技士です。以下の項目では、建築施工管理技士について詳しく解説します。




■建築施工管理技士の1級と2級の違い



建築施工管理技士には1級と2級があり、1級の方がより高度な施工管理スキルを認定します。また、務められる役職や担当できる現場も異なり、簡単にいうと1級の方がより大きな現場の責任者になることができます。具体的にそれぞれ何ができるのかを見ていきましょう。



・2級建築施工管理技士


2級の保有者は、建設現場において技術上の管理を司る「主任技術者」になることができます。主任技術者が管理できるのは、下請工事および外注総額4,500万円未満(建築一式工事なら7,000万円未満)の元請工事です。また、「一般建設業」の許可を得るにあたって営業所への常時配置が義務付けられている「専任技術者」になることもできます。



・1級建築施工管理技士


1級の保有者は主任技術者に加え、外注総額4,500万円以上(建築一式工事なら7,000万円以上)の元請工事の現場で技術上の管理を司る「監理技術者」になることができます。また、一般建設業だけでなく「特定建設業」においても、営業所の専任技術者になることができます。




■2024年度から受験制度が改正!学歴関係なく受験できます



建築施工管理技士の資格を取得するためには、試験を受けて合格する必要があります。1級・2級ともに第一次検定と第二次検定に分かれており、第一次に合格すると第二次に進むことができます。


この受験の制度が2024年度から大きく改正され、以前に比べて受験資格が緩和されました。第一次検定と第二次検定に分けて、どのような点が変更されたのかを見ていきましょう。



・第一次検定は年齢制限のみに!


2級の第一次検定は、17歳以上(受検年度末時点)であれば誰でも受検可能です。これは改正前から変更されていません。


一方、1級の第一次検定は、改正前は学歴に応じた実務経験が必要でした。たとえば、最終学歴が高校の普通科卒業だと、卒業後に11.5年の実務経験が必要だったのです。


しかし、改正後は実務経験が問われなくなり、19歳以上(受検年度末時点)であれば誰でも受検可能になりました。純粋に実力のみが問われるようになったのは、朗報といえるでしょう。


ただし、特定の学校課程を履修した人は、一部の科目が免除されるという優遇措置があります。これは第二次検定も同じです。


なお、第一次検定に合格すると、1級および2級の「施工管理技士補」という資格を取得できます。改正後は、この施工管理技士補としての実務経験が、第二次検定の受験に大きく関わっています。



・第二次検定は施工管理技士補としての実務経験が必要に!


第二次検定は改正前の制度だと、1級・2級ともに学歴に応じた実務経験が必要でした。しかし改正後は、第一次検定と同じく学歴が問われなくなり、代わりに施工管理技士補としての実務経験が問われるようになりました。


2級の場合は、2級技士補としての実務経験が3年以上あれば受験可能です。ただし、すでに1級技士補を取得しているなら、1年以上の実務経験で受験できます。


一方、1級の場合は、1級技士補としての実務経験が5年以上あれば受験可能です。ただし、特定実務経験1年以上を含むなら、合計3年以上でよくなります。また、監理技術者補佐としての実務経験が1年以上あれば、それだけで受験できます。


さらに、2級の保有者かつ1級技士補の保有者なら、2級取得後の実務経験が5年以上あれば受験可能です。こちらも特定実務経験1年以上を含むなら、合計3年以上でよくなります。


まとめると、2024年度からは学歴がほぼ関係なくなった反面、第一次検定に合格してから一定の実務経験を積まないと第二次検定を受験できなくなったわけです。大抵はプラスに働きますが、人によっては改正前の方が有利な場合もあります。そのため、2028年度までは経過措置が設けられ、新旧の制度から都合のいい方を選べるようになっています。




■実務経験として認められるのはどんな経験?


ここまで見てきたように、建築施工管理技士の資格を取得するためには、実務経験を積むことが非常に重要です。では、一体どういったものが実務経験として認められるのでしょうか?


基本的には、建築工事の施工管理に関係する職務経験であれば、何でも実務経験として数えることが可能です。代表的なものとしては、受注者として現場の4大管理(工程管理・品質管理・安全管理・原価管理)を行った経験が挙げられます。


また、施工図の作成や補助作業、設計者などの工事監理の経験および補助も含めることが可能です。さらに発注者側の立場で、現場の監督や補助作業などに携わった経験も含まれます。


ただし、2級建築施工管理技士の資格は「建築」「駆体」「仕上げ」の3種類に分かれており、必要な実務経験も資格の種別によって異なるため注意が必要です。1級にはこのような種別はありません。


「建築」は建築一式工事または大工工事、「躯体」は大工工事や型枠工事、鉄筋工事、とび・大工・コンクリート工事、「仕上げ」は大工工事や左官工事、塗装工事、屋根工事、板金工事などが実務経験として認められます。自分がどの資格を取得できるのか、事前に確認しておきましょう。


施工管理の業務内容については、こちらの記事もぜひご覧ください。

https://www.b-house.co.jp/blog/recruit/170367




■建築施工管理技士の試験の難易度はどのくらい?



建築施工管理技士の資格取得を目指すにあたって、試験に合格できるか心配になる方も多いと思われます。実際のところ、試験の難易度はどのくらいなのでしょうか?


まず2級について見ていくと、第一次検定の合格率は25%~40%第二次検定の合格率は25%~30%程度で推移しています。両方に1回で合格できる確率は、高く見積もっても10%程度であり、決して簡単ではありません。


ただし、2級の第一次検定は改正前から年齢制限しかなかったため、受験者層には高校生など実務経験がない人も多く含まれます。つまり、現場で実務経験を積んだ人なら、第一次検定の合格率はもっと高くなると見るべきでしょう。


一方、1級の合格率は、第一次検定・第二次検定ともに、毎年40%~50%程度で推移しています。両方に1回で合格できる確率は、高く見積もっても25%程度です。2級より高いように感じるかもしれませんが、2級よりも経験豊富な人(2級を持っている人含む)が受験してこの数字、という点を考慮しなければなりません。


特に第二次検定では、現場での経験に基づく知識と技術を問う問題が出題されます。受験資格を満たす意味でも、まずはしっかりと現場で経験を積み、日々の業務を通じてスキルを磨くといいでしょう。



このように建築施工管理技士は、建築工事の施工管理として働くなら必須の資格です。2024年度からの改正によって、受験の際に学歴がほぼ問われなくなったため、以前よりも取得しやすくなりました。取得を目指す方にとってはチャンスが来ているといえます。


建築工事の需要がなくなることはないので、建築施工管理技士(特に1級)の資格を取得すれば、就職先に困らず安定して働くことが可能です。興味のある方は、まず未経験者を歓迎している会社に入社し、現場経験を積みながら取得を目指しましょう。



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また、代表自ら現場に出て従業員への指導を行うため、未経験者でもスムーズに技術を習得することが可能です。皆さんも美家で一生モノの技術を身に着け、建物を作る仕事をしてみませんか? 興味のある方はお気軽にご連絡ください。



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