こんにちは。京都府エリアで新築やリフォームの工事、土地探しや不動産売買のご相談に応じている美家(びはうす)です。
1200年の古都と名高い京都には、風情豊かな美観が広がっています。そんな京都市に住宅や店舗を構える際には、景観条例に配慮しなければなりません。京都市の景観に関する規制は日本国内で最も厳しいといわれているため、建築のルールに違反しないよう事前にチェックしておきましょう。
今回は、京都市で住宅や店舗を建てる際のポイントについて解説していきます。
■京都市の景観条例はとても厳しい!その理由とは?
京都市の町並みには和の風情があり、その素晴らしい景観を一目見ようと国内外から多くの観光客が訪れます。京都の市街地が美しいのは、古くから景観に関するルールが作られその風情が守られ続けてきたからです。
景観条例がまったくない場合、住人は好きなスタイルの住宅を自由に建てることができます。しかし、これでは古都ならではの和の町並み風景は失われてしまいます。
古都の景観を守るために、京都市の多くのエリアが景観地区に指定されています。景観条例というと、建物の高さ規制や看板の規制がよく知られていますが、個人宅の建築にも一定のルールがあるのです。
■京都市の景観条例にはどんな規定がある?
京都市の景観条例には、新築物件のスタイルに関する細かい規定が設けられています。
例えば市街地の景観地区では、屋根材として使う日本瓦や平板瓦はいぶし銀でなければなりません。また、金属板などの屋根材は光沢のない濃い灰色か黒を選ぶ必要があります。
ほかにも、屋根の勾配の角度、壁面の色や材質、塔屋の長さに至るまで、細かくルールが決められています。
景観条例とはつまり「古都の町並みが残るエリアには京都らしい和風の建物しか建てられない」というルールなのです。
現在京都市で施行されている景観条例には美観地区や美観形成地区、景観計画区域などいくつかの分類があります。歴史遺産型美観地区、歴史的景観保全修景地区、伝統的建造分保存地区などに該当する祇園エリアや下鴨・上賀茂エリア、嵯峨野エリアなどは景観条例が特に厳しく設定されています。
住宅を建てる場所によって規制の内容が多少変わってくるので、事前に条例を確認することが大切です。
■京都市の景観条例の歴史とは?いつから始まった?
京都市で景観の規制が行われるようになったのは1930年ごろからです。これ以降、京都市は景観に関する制度を細かく定めて実施してきました。
しかし、戦後には日本国内でも欧米化が進み、洋風住宅の需要が徐々に高まっていきます。また、古い日本家屋の劣化といった問題も起こるようになってきました。こういった時代の変化につれて、京都市内でも多くの景観資源が失われてきました。
そこで京都市は2007年に「新景観政策」を制定しました。京都市では現在「建物は個人所有の財産だが景観は公共の財産」という考え方をベースに、独自の景観対策を実施しています。
しかし、景観規制があるから古い日本家屋しか建てられないということはありません。条例にあるようなスタイルを遵守しながらも、今風のスタイリッシュな住宅を作ることは十分可能です。
落ち着いた色合いのエクステリアや和モダン風の屋根材、壁材を選べば、個性的ながらも京都の景観に溶け込むステキな建物に仕上げられます。京都エリアでの施工実績が多い専門業者を選び、ご希望のデザインやスタイルを詳しく相談してみましょう。
■京都市で住宅や店舗を建てるときの規制を具体的にチェック!
京都市内では現在、多くのエリアが景観条例の対象となっています。住宅や店舗の工事を始めてから景観条例に違反していることが判明した場合、工事のやり直しなど多くの手間が発生します。トラブルを防ぐためにも、規制について詳しく確認しておきましょう。
・壁の色や材質
京都市で住宅や店舗を建てるときには壁の色や材質に十分注意しましょう。
真っ赤や真っ黄色など、古き良き町並みの美観を損なうような派手な色を建物の壁に選ぶことはできません。赤系やオレンジ系、黄色系や黄緑系、緑系の明るい色は避け、町並みになじむ落ち着いた風合いの壁を選びましょう。
・屋根
京都市では屋根のスタイルにも一定のルールが適用されます。
屋根に瓦を使うときにはその色合いをいぶし銀にするよう定められています。銅板以外の金属板などで屋根を作るときには、光沢のない濃い灰色か黒、濃い茶色といった色合いに仕上げなければなりません。
また、屋根の形や勾配なども詳しく規定されています。市街地では基本的に、切妻屋根と呼ばれるスタイルのみが認められています。また、屋根の勾配の角度、軒や庇のサイズやデザインにも基準があります。
・建物の高さ
京都市には建物の高さ制限もあり、一定以上の高さのマンションやビルを建てることはできません。
市街地では建物の高さを最大で31mまでとするよう決められています。31mというと10階建てに相当する高さです。この規制があるために、京都市街にタワーマンションや超高層オフィスビルが存在しないのです。
また、一部エリアで建物の高さ規制が15mにまで制限されています。
・看板や広告
店舗を建てたいときや、住宅の一部を店舗や事務所にしたいときには、看板や屋外広告の規制も確認しておきましょう。
京都市の景観条例では、京都の景観に合う看板や歴史に見合う品のある広告のみが掲示可能となっています。けばけばしい広告や派手な色の看板は規制の対象となってしまうので気をつけましょう。
・屋外の住宅設備
屋外に設置する設備は、基本的には落ち着いた色彩のものを選ぶ必要があります。配管や配線があるときには、屋根や外壁の色合いと合わせるなどの工夫をして目立たないよう仕上げましょう。
京都市の多くのエリアでは、屋根に太陽光発電パネルを設置することが認められています。ただし、青みの強いデザインのパネルを選ぶことはできません。色合いを黒や濃い灰色、濃紺色とするなど、周辺住宅と建物の色彩を合わせて調和させるよう配慮しましょう。
たとえ京都市内であっても、伝統的建造物保存地区や歴史遺産型美観地区に該当する一部の地域では、太陽光発電パネル自体が設置できないことがあります。
■まとめ
京都では独自の景観に対する基準を踏まえて家づくりを進めなくてはなりません。
京都市エリアで建物の建築・保全・再生などをするときには、景観条例による規制を確認しましょう。景観条例の対象地域で個人宅や事業所、店舗などを建てるときには、その用途にかかわらず京都市への事前相談や必要に応じた申請手続きなどが必要となります。
これら一連の確認や申請を問題なく行うためにも、京都市の景観条例を熟知している地元の工務店に詳しく相談しましょう。
京都市の株式会社美家(びはうす)は土地探しや、物件のご紹介から建築まで一貫対応をしている会社です。景観条例の定めに関するお悩みにも丁寧に相談に応じています。また、美家ではフルリノベーションにも対応可能な体制を整えており、中古物件を探すところからお手伝いさせていただきます。
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