皆さん、こんにちは。京都府京都市を拠点に、住宅の新築工事やリフォーム・リノベーション工事を手掛けている美家(びはうす)です。
近年、建設業界の就業者数の減少や高齢化が進んでいることは、建設業に興味のある方の多くがご存じかと思います。中には、「建設業界で働いてみたいけど、何だか将来性がなさそうだしやめておこうかな……」と迷っている方もいるでしょう。
しかし、それは大きな誤解です。乗り越えるべき課題が多いのは確かですが、建設業自体はとても将来性があり、就職するだけの魅力を備えています。そこで今回は、建設業界の現状と将来性、企業が解決すべき課題について詳しく解説します。
■コロナ禍を経た建設業界の現状
近年の建設業界に大きな影響を与えたものといえば、言わずとしれた新型コロナウイルスの大流行です。当時は多くの工事が中止・延期になるなどの影響がありましたが、実はコロナ禍を抜けた今でも、建設業界はさまざまな問題に直面しています。建設業界の現状を簡単に確認しておきましょう。
・資材の高騰
最近の建設業界では、資材価格の高騰が大きな問題になっています。コロナ禍の影響で一時は資材の需要が低下したのですが、その後の急激な需要回復によって木材や鋼材が不足し、価格が高騰しました。これを「ウッドショック」「アイアンショック」といいます。
また、2022年にロシアによるウクライナ侵攻が始まると、エネルギー価格の上昇に加え、急激な円安によって輸入資材の価格が高騰しました。結果として工事のコストが上昇し、発注の中止・延期につながり、建設業者も利益を出しにくくなっています。
・ピーク時からの建設投資の減少
建設業はGDPの5%程度を占めている重要な産業ですが、その投資額はピーク時に比べて減少しています。ピークの1992年には約84兆円にも達しましたが、バブル崩壊の影響もあって減少し、2011年には約42兆円とほぼ半減しました。
その後は各地の再開発事業や東京五輪需要などを受けて増加傾向にあったものの、コロナ禍における建設中止や資材高騰による受注低迷が影響し、建設投資額の伸びは鈍化しています。2023年度は約71兆円で、ピーク時から約2割減です。ただし、ゆっくりでも伸び続けているのは確かで、2024年度は約73兆円を見込んでいます。
・建設業者の倒産の増加
近年では、建設業者の倒産件数が増加しています。2023年の倒産件数は、前年度より35.5%増の1749件でした。要因の1つは前述した物価高・資材高騰・資材不足で、資材が来なかったり予算オーバーになったりして、工事が延期される(売上が後ズレする)ケースが増えています。
また、コロナ禍で打撃を受けた企業を支援するための、いわゆる「ゼロゼロ融資」の返済時期に入ったことも大きな要因です。返済ができず、結果的に倒産に追い込まれる企業は少なくありません。もちろん、コロナ禍自体も多くの企業の倒産につながりました。
■建設業界の最大の課題は「高齢化・人手不足・後継者不足」
ここまで見てきたように、コロナ後の建設業界は多くの課題を抱えています。しかし、倒産の増加の背景にあるのは、コスト高や建設投資の減少だけではありません。
実は、建設業界が直面している最大の課題は「人手不足(就業者数の減少)」です。人手不足倒産という言葉があるように、工事の需要があっても人手不足で受注できず、業績が低迷するケースが増えています。では、なぜこれほどの人手不足に陥っているのでしょうか?
根本的な原因は、日本の人口減少です。日本では少子高齢化が進行し、その影響で人口自体も2008年をピークに減少を続けており、特に若い労働者が不足しています。総務省の「労働力調査」によると、建設業の就業者のうち55歳以上は約36%、29歳以下は約12%となっており、高齢化の進行は明らかです(2023年)。
ただ、少子高齢化は日本全体の問題ですが、建設業界の高齢化・人手不足は他の業界以上に深刻化しています。これは、労働環境の悪さによって、若い求職者が建設業界への就職・転職を避けがちであることが主な要因です。長時間労働の常態化や休日の少なさ、仕事が適正に評価されず給与が上がらないなど、問題点は数多くあります。
この状態が続くと、国を支える建設工事の担い手がいなくなり、専門的な知識や技術も継承されず、社会が根本から揺らぐことになるでしょう。そのため近年では、建設業界の「働き方改革」が推進され、若者に選ばれる労働環境が少しずつ整ってきています。
■建設業の需要は生まれ続ける!その理由とは?
コスト高や人手不足など、建設業界の現状を見ていると、興味があっても就職をためらってしまうかもしれません。しかし、建設業界そのものはとても安定しており、将来性もあります。
なぜなら、建設業は今後もずっと需要が生まれ続ける仕事だからです。その主な理由としては、以下の2つが挙げられます。
・建て替えや更新、災害対策などが必要だから
住宅やビル、工場、商業施設、道路、トンネルに橋梁など、建物や公共インフラにはさまざまな種類があります。これらの中に、「一度作ったら終わり」というものは1つとしてありません。
どのような建造物でも経年劣化は避けられず、長年使っているうちに老朽化し、建て替えや補修、メンテナンスが必要になります。加えて、技術の進歩に対応するための更新工事を行う場合もあるでしょう。つまり、定期的に各種工事の需要が生まれるので、建設という仕事がなくなることは絶対にないのです。
また、近年では地震や豪雨といった自然災害の脅威が問題になっています。そのため、国は国土強靭化を目指して防災インフラの整備を後押ししており、一般住宅やビルにおいても「災害に強い建物づくり」が重視されるようになりました。こういった災害対策工事の需要は、今後も増加すると見込まれています。
・大規模な建設プロジェクトが進行しているため
大きなイベントがあると、それに伴う工事の需要が生まれ、業界が活性化します。近年では、東京オリンピック・パラリンピックの開催により、会場の建設や周囲のインフラ整備といった需要が生まれました。
東京五輪は閉幕しましたが、大きな経済効果が期待できるイベントや建設プロジェクトはまだまだあります。たとえば、2025年に開催予定の大阪万博や、リニア新幹線の開業、各地の再開発や高速道路の整備などです。
こういった大規模なプロジェクトは都市部で行われているイメージが強いかもしれませんが、実際は地方でも実施されています。高度経済成長期から半世紀以上が経過し、当時作られた建造物が老朽化しているという事情も手伝い、今後も全国的に大規模な建設プロジェクトが推進されると考えられます。
■建設業における人材確保のために必要なこと
建設業は大いに将来性がありますが、どれだけ多くの需要があっても、その担い手を確保できなければ工事はできません。「工事の需要は増え続けるのに人手が足りない」というのが建設業界の実情です。
「人がいなくて大規模な案件を受注できない……」などという事態にならないよう、建設業界の企業は人材確保に力を入れる必要があります。そのために企業が取るべき施策を見ていきましょう。これは就職先を探す際に見るべき点でもあるので、ぜひ参考にしてください。
・労働環境の改善
何よりも優先して取り組むべきなのが、労働環境の改善です。長時間労働が常態化しているなら残業時間を削減し、休日日数も増やす必要があります。そのためにも、現場で効率の悪い作業をしていないか、人員の配置に無駄がないか、最初から無理のある計画で受注していないかなど、働き方を根本から見直すべきです。
また、従業員の評価システムにも目を向けなければなりません。スキルや業績に応じて着実に昇給・キャリアアップできる環境が整えば、従業員のモチベーションが高まり、人材の定着率もアップします。
なお、2024年4月からは、時間外労働の上限規制が罰則付きで設けられました。これにしっかりと対応できているかどうかも企業選びの際のポイントです。
・DXによる業務の効率化
建設業界では昔から、生産性の低さが大きな課題になっています。つまり、労働時間が長い割に成果につながらない、とても効率の悪い働き方をしているのです。
そこで近年では、建設業界でもDX(デジタルトランスフォーメーション)が推進されています。これはデジタル技術を活用し、業務の効率化を図り、建設業のあり方を根本から変えていこうという取り組みです。
具体的な方法としては、3次元データを活用した設計・施工やドローンによる現場の点検・測量、施工管理アプリの導入、管理状況のデジタルデータ化、建設機械の自動運転化などが挙げられます。これらが普及すれば、建設業界の生産性は大きく向上し、結果として長時間労働の是正にもつながるでしょう。
このように、建設業界はさまざまな問題に直面している一方、需要自体は決してなくならないという性質を持っています。未経験者が今から就職しても、スキルさえ磨けば仕事を失う心配はほぼなく、安定して働くことができるでしょう。
また、企業は人材確保のため、働きやすい環境づくりや業務の効率化に力を注ぐ必要があります。快適な環境で働くためにも、建設業界に就職する時は、こういった取り組みに積極的な企業を探してみてください。
株式会社美家では現在、不動産営業や施工管理として、一緒に働いていただける方を募集しています。弊社は従業員の仕事ぶりをしっかりと評価し、報酬として還元できる体制を整えている会社です。年功序列ではなく出来高で評価しているため、モチベーションを高く保って働くことができます。
また、代表自ら現場に出て従業員への指導を行うため、未経験者でもスムーズに技術を習得することが可能です。さらに残業はほぼなく、毎日19時には事務所は空っぽ! 年間休日は約120日確保しているなど、働きやすい環境づくりに努めています。
皆さんも美家で一生モノの技術を身に着け、建物を作る仕事をしてみませんか? 興味のある方はお気軽にご連絡ください。
美家の採用上はこちら ↓↓
https://www.b-house.co.jp/recruit