京町家や古い住宅でのバリアフリーリフォームで注意すべきポイントとは?風情のある住まいで快適生活を

皆さん、こんにちは。京都府京都市を拠点に、住宅の新築工事やリフォーム・リノベーション工事を手掛けている美家(びはうす)です。


京町家や古い住宅は、伝統的な意匠や昔の暮らしを感じられるなど魅力が多い反面、快適に生活するためにはどのようなリフォームが必要なのか、疑問や不安を抱えている人も多いでしょう。


この記事では京都の古い住宅の特徴や課題点、バリアフリーリフォームが必要な箇所、バリアフリーリフォームの注意点などについて解説します。風情ある住まいで快適な生活を送れるよう、ぜひ参考にしてみてください。




■京都の古い住宅の特徴と課題



京都には、木造の伝統的な都市住宅である京町家や古い住宅が多く残されています。まずは京都の古い住宅の特徴と、その課題点について解説します。



・京都の古い住宅の特徴


京都では、京町家をはじめ多くの古い住宅が軒を連ねています。京町家とは、京都の伝統的な木造建築のことを指します。明確な定義があるわけではないものの、伝統的な軸組木造で、瓦屋根や大戸、格子戸、出格子、虫籠窓などが用いられた外観が特徴的です。間口が狭く奥行きが深いことから、「うなぎの寝床」とも呼ばれています。


ほかにも、通り庭でつながった間取りで、奥には坪庭、奥座敷には奥庭などがあり、火袋と呼ばれる吹き抜け空間があるのも特徴のひとつです。また、京町家では木や紙、土、石などの自然素材が使用されています。



・京都の古い住宅の課題


京都の古い住宅は、文化的価値が高い一方で、段差の多さや気密性の低さ、老朽化による傷みなどを理由に、とくに高齢者や身体が不自由な方にとっては生活しづらい側面もあります。


たとえば京町家ではない一般住宅の古い建物でも、湿気対策のために高床式にされているなど、段差の多い間取りや和室中心の間取りになっている場合が多いです。また、庭や外構の存在が多い、急勾配の階段が多いなど、バリアフリー上の課題を抱えているケースもよくあります。


京都の古い住宅を快適に生活できるようにするためには、老朽化した部分の補修や断熱工事などが必要になります。とくに、バリアフリー上の課題を多く抱えているケースが多いため、段差の解消をはじめとしたバリアフリー工事は重要な要素のひとつといえるでしょう。




■必要とされるバリアフリーリフォームの内容にはどんなものが多い?



快適に生活するために必要とされるバリアフリーリフォームには、たとえば「段差の解消」「手すりの設置」「床材の変更」「ドアの引き戸化」「階段の改修」「間取り変更」などがあります。それぞれのバリアフリーリフォームの内容について解説します。



・段差の解消


各部屋の出入り口をはじめ、洗面所や浴室などにも段差があるケースが多いため、それらの段差を適切な方法で解消する必要があります。たとえば床をかさ上げしてフラットにしたり、スロープを設置して段差を緩和したりする方法が考えられます。また、敷居を取り除いて間取りそのものを変更するような全面的なリフォームや、玄関の上がりかまち部分を低くするような方法もあります。



・手すりの設置


転倒やつまずきなどによるケガのリスクを軽減させるために、適切な箇所に手すりを設置するのも有効な方法です。たとえば廊下や階段などは、歩行を補助する役割として手すりがあると便利です。また、玄関やトイレ、浴室など、立ち上がったり座ったりする場所にも手すりがあると、動作を補助する役割を果たします。



・床材の変更


安全な歩行のために、床材を変更することも効果的です。古い床材はめくれや剥がれ、きしみ、沈みなどが生じ、転倒のリスクが高いといえます。また、畳は使い勝手が悪いケースも多いため、ベッドを置いたり車椅子を使用したりする場合はフローリングに変更するのがおすすめです。また、洗面所や浴室の床材も滑りにくいものに変更するとよいでしょう。



・ドアの引き戸化


開き戸は開閉しにくくバリアフリーに向かないため、引き戸に変更するのがおすすめです。天井や壁の上部にレールをつけて、扉を上から吊るすように設置するタイプの「上吊り引き戸」は、床にレールがないため段差の心配がないため、バリアフリー化にとくに向いています。ただし、引き戸を設置するためには扉の引き込みスペースが必要になる点に留意しましょう。



・階段の改修


京町家や古い住宅は階段の幅が狭く、急勾配なケースが多いです。足腰の弱い方にとってはとくに昇降しにくく、転倒や転落のリスクもあるため、急勾配の解消や幅の確保などが求められます。



・間取り変更


生活動線を考えて間取り変更をすることも、バリアフリー化には重要なポイントです。たとえばトイレと寝室を近くに配置する、1階だけでも生活できるように必要な設備を集約するなど、実際の生活を具体的にイメージして検討することが大切です。




■特に京町家で必要とされるバリアフリーリフォームは?



京町家をバリアフリー化する際には、京町家の特徴でもある土間スペースを有効利用できるように検討することが大切です。たとえば土間部分にスロープを設置して車椅子にも対応できるようにリフォームするのも方法のひとつです。


また、京町家は廊下や階段が狭く、車椅子や歩行補助具の利用が困難なことから、1階で日常生活が完結できるよう、生活動線を見直して間取り変更を検討するのもよいでしょう。あわせて、トイレや浴室設備は高齢者でも使いやすい最新のものに変更するのがおすすめです。




■バリアフリーリフォームで注意すべきポイントとは?



バリアフリーリフォームをする際には、高齢者や身体が不自由な方の過ごしやすさはもちろん、家族全員が快適に過ごせる空間づくりを心がけることが大切です。実際の生活を具体的にイメージし、不便なところはないか、事故やケガの危険はないか、動線に問題がないかなどを十分に確認しておくとよいでしょう。


また、必要なリフォーム内容と予算についても十分に検討しておくことが大切です。バリアフリーリフォームでよくある失敗のひとつに、リフォーム箇所によっては工事の意味がなかったという事例があります。無駄なバリアフリー化はかえって予算を圧迫し、本当に必要な箇所に予算をかけられなくなってしまう恐れがあります。


予算内で適切なリフォームを実現するためには、各箇所におけるバリアフリー化の必要性を明確にし、目的をもってリフォーム化を検討することが大切です。


古い住宅をバリアフリーリフォームすると、伝統的な風情を感じながらも安全で快適な生活が実現します。バリアフリー化に必要なリフォームを十分に検討し、適切なリフォームが実施できるようにしましょう。


株式会社美家は、京都内での古民家や町家など古い住宅のリフォーム・リノベーション経験が豊富です。それぞれの現場に合わせて、丁寧かつ高品質な施工を行っていることが弊社の強みです。お客様のご要望を細かくヒアリングし、仕上がりの美しさやデザイン性、使いやすさを重視した丁寧な施工をご提供いたします。


古い住宅・店舗のゲストハウス・民泊などの宿泊施設やカフェなどの店舗への改装工事は、ぜひお任せください。


また、弊社は土地探しや物件のご紹介、内外装のリフォームなど、幅広いサービスに対応可能です。お客様のご要望を丁寧にお伺いし、丁寧な施工をお届けいたしますので、不動産探しや売買、リフォームに関するお悩みがございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。



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