皆さん、こんにちは。京都府京都市を拠点に、住宅の新築工事やリフォーム・リノベーション工事を手掛けている美家(びはうす)です。
今回は京都の町家や古い住宅のお風呂事情やリフォームについて、失敗しないためのポイントや費用を抑えるポイントをご紹介します。
■昔の京町家のほとんどにはお風呂が併設されていなかった?
京町家の起源は平安時代中期とされており、現在の京町家の原型は江戸時代に形成されたといわれています。まずは京町家の特徴について解説します。
・京都の町家のほとんどにお風呂がなかった
もともと京町家にはお風呂がないのが一般的でした。なかにはお風呂がある京町家もありましたが、土間風呂のような簡易的なものでした。
江戸時代は銭湯が流行したこともあり、住宅と店舗が併設した狭い京町家ではお風呂を設置しないことが多かったといわれています。そのため、住民は近所の銭湯を利用するのが一般的でした。
■現在の京都の古いお風呂事情は?
現在の京都の町家や古民家にある古いお風呂は、土間風呂やタイル張りの浴室が多いです。それぞれの特徴を紹介します。
・町家や古民家によくあるのは古い土間風呂
京町家や古民家には、古い土間風呂があることが多いです。土間風呂の特徴は次の通りです。
◆土間風呂とは?
京町家や古民家によくある土間風呂は、現代の浴室のように一室として独立した形ではなく、土間と区切られたスペースに蛇口や風呂釜が置かれた形が一般的です。
・タイル張りの浴室も多く残っている
明治時代以降の京町家や古民家は、タイル張りの浴室が多く見られるようになっています。タイル張りの浴室が主流になってきた背景は次の通りです。
◆明治時代以降タイル張りの浴室が主流に?
明治時代に西洋文化が流入すると、人々の衛生意識が高まり、浴室を清潔に保つ方法についても関心が集まるようになりました。
そこで注目されたのが、タイルです。タイルは水に強く汚れが付きにくいため、掃除がしやすく浴室を衛生的に保ちやすいとして、浴室に採用されるようになりました。大正時代から昭和初期にかけて、徐々に普及していったとされています。
■古いお風呂のリフォームの目安は?
「在来工法」と呼ばれるタイル張りの浴室の寿命は、一般的に30年前後が目安といわれています。京町家や古民家、古い住宅などは築年数が古く、すでにそれ以上の年月が経っている場合が多いです。そのため、リフォームの目安は「いつ」もしくは「何年経ったから」と一概には言えません。
・築年数でのリフォームのポイント
ここでは築年数に応じたリフォームのポイントについて解説します。
①築50年以上
築50年以上が経過した住宅の場合、耐震補強や基礎の補修、配管の交換が必要になる可能性が高いです。全体的に老朽化が進んでいたり、土台部分が腐食していたりする恐れがあるため、リフォームを機に補強や補修をしっかりとおこないましょう。
②築30~50年
築30~50年の住宅も全体的に老朽化が心配されるケースが多く、配管の点検や交換、浴室設備の交換、断熱材の追加、窓の改修などが必要になるでしょう。
③築20~30年
築20〜30年の場合は、一般的な寿命の目安を迎えているため、基本的には全体的に補修や交換が必要になる場合が多いです。たとえば浴室設備の交換やタイルの張替えが必要になる可能性が高いでしょう。また、配管や防水層の状態も確認する必要があります。
④築20年未満
築20年未満の場合は比較的新しく、一般的な寿命の目安を迎える前なので、構造的な部分での問題は少ないケースが多いでしょう。ただし環境や使用状況によって状態が異なるため、点検をしてもらい、不具合や問題がある箇所については補修や交換を依頼しましょう。
・その他にリフォームのタイミングの目安
築年数以外にも、リフォームが必要とされるタイミングに応じてリフォームを実施することも大切です。想定されるタイミングは、次の通りです。
①タイル張りの場合にはがれたり、ひび割れが入ってきたなど
タイルがはがれたりひび割れが生じたりしている場合は、築年数があまり経過していなくても補修が必要です。水漏れが発生したりカビの繁殖が進行したりする恐れがあるため、早めに対処しましょう。
②設備が故障したり、新しいものに取り換えたいタイミング
給湯器などの設備が故障した場合は、早急に新しいものに交換する必要があるでしょう。また、浴室設備は高性能化が進んでいるため、必要な機能があるものに変えたいと思ったタイミングで交換するのもよいでしょう。
③バリアフリー化が必要になったタイミング
古いお風呂は段差があったり滑りやすかったりするため、バリアフリー化が必要なタイミングで、段差を解消したり滑りにくい素材に変更したりするようなリフォームを行うのがよいでしょう。
■予算オーバーにならないために重要なこととは?
町家や古民家などの古い住宅の浴室は、基本的に耐震工事や断熱工事、配管工事のような構造的な工事を必要とするケースが多いです。構造的な工事は安全のために必要不可欠であるため、予算オーバーにならないためにはそれ以外の部分で調整できないかを検討しましょう。
・リフォームの範囲を調整
全体的なリフォームはそれだけ費用がかかるため、本当に必要な部分に絞ってリフォームをするという方法があります。「浴室のみ」「浴室と脱衣所」「浴室と洗面所」など老朽化が進んでいる部分を優先的にリフォームできるとよいでしょう。
・使用する素材
町家や古民家の雰囲気に合わせて天然石や木材を使用したいと考えるケースもありますが、高級な素材を使用すると、どうしても費用が高くなってしまいます。たとえば天然石ではなく大理石調のクッションフロアを使用するなど、素材を変更してコストを抑える工夫をするとよいでしょう。
・設備のグレード
浴室乾燥機や床暖房、換気扇、ミストサウナや手すりなど、追加する設備や機能で工事費も変動します。事前に必要な設備をしっかりと確認し、予算に応じてグレードを考えるようにしましょう。
■補助金が対象かどうかもチェック!
浴室への手すりの設置などは、バリアフリー化の工事として補助金の対象となる場合があります。また、子育て世帯の場合には、浴室乾燥機の設置工事が補助金の対象となるケースもあります。
補助金の対象要件などは、自治体のホームページや窓口で確認できる場合が多いです。検討しているリフォームの工事内容が補助金が対象かどうかチェックし、少しでも負担を軽くできるようにしましょう。
株式会社美家は、京都府のリノベーション・リフォームに対応しております。弊社は京都府内での店舗やゲストハウスへのリノベーション工事などの経験が豊富にあり、お風呂をはじめ水回りのリフォームにも幅広く対応可能です。
また、弊社はリノベ専門業者として、物件探しから資金計画、リノベーションの設計・施工、アフターサービスまでを一貫してワンストップで行っています。お客様の夢を叶えるために、土地探しから設計施工、アフターメンテナンスまで伴走します。
町家のリフォームについても、京都のことを理解している地場の業者である美家にぜひお任せください。そのほか、住まいのことでお悩みやお困りごとがありましたら、些細なことでもお気軽にご連絡ください。
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