■「美家」という名前に込めた意味とは…
正直なところ、屋号にはとくに深い意味があるわけではないのです。
実際、フィーリングでパッと決めたところがあります。
普通であれば「〇〇工務店」や、「〇〇内装」といった名前を付けるのが一般的ですよね。
しかし、この名前を見て「何屋さんかよくわからない」という気持ちから、直接弊社にお問い合わせをしてもらえることが結構あります。
また「これって何て読むの?」とお客様から読み方をご質問いただいて、印象の中に残して貰えることも多いですね。
もしかすると、潜在意識で「美しい家を作りたい」という願望を持っているお客様には、私共が思っている以上にアプローチできているのかもしれません。
もちろん、私共からしても「こうあるべき」という気持ちがあっての名前です。
普段から屋号を口に出すことで自己啓発をおこない、常にその点を意識して行動するようにしております。
■理念に共感したスタッフで構成された少数精鋭のチーム
どこまでいっても、美家の経営理念であり行動理念は「お客様の想いをカタチに」というものです。
そのためスタッフは、その理念に共感してくれる人で構成されています。
採用基準について平たく言うと、私の好みであるという点が強いかもしれません。
こちらも屋号と同じくフィーリング重視ですね。
・人柄や性格重視で楽しく仕事に取り組める人と働きたい
今のスタッフも元々の知人などではなく、面接をして初めて知り合ったなかで「この人と一緒なら楽しく仕事ができる」と感じた人を採用しています。
仕事は好きな人と楽しくしたほうがいいじゃないですか。
各々が共通の目的だけ持ちつつある程度自由に動いたほうが、パフォーマンスも上がると思うんです。
勝手に仕事をして勝手に休んでいるとか…そういった働き方ができるのが理想ですね。
・一人ひとりが自分の役回りを理解して自走するプロフェッショナル
スタッフに対しては、自分の役回りをしっかり理解して、一つひとつの業務をこなしてくれていることを実感しています。
現在は企業規模的に、分担作業でなく兼任作業がどうしても多い状態です。
そういった状況を全員が理解したうえで、能動的に動いてくれることがありがたいですね。
自走する姿勢は熱意となって、品質にも良い影響を与えると思います。
■お客様が住み始めるところまで一貫して関わりたい
家を探すという方は、どうしても土地から選ばなければいけません。
そうすると、最初の入り口はどうしても不動産会社になります。
実際によくご依頼を受けるのも、不動産会社からになりますので。
よって不動産も扱えるようになっておくことが、今後手を広げていくうえで必須だと考えました。
しかしその反面、不動産仲介のみで終わってしまうと物語が薄くなるというか…
お客様がその住居に住み始めるところまでサポートしたいと思ったんです。
私自身、元々現場で働いていたこともあったので、不動産から建築まで一貫して対応できるようにしたいと考えたのが、ワンストップでサービスを展開するようになったきっかけですね。
・お客様のために自由に何かができる環境を作りたかった
現役の職人時代によく言われたのが、「お客様と喋るな」「サービス工事をするな」ということです。
当時は新築の建売住宅をよく担当していたのですが、元請業者からするとそれらは自社の利益に繋がるタネなので、こちらが「これくらいやってあげようかな」という想いで対応してしまうことをとても嫌がったのです。
私としては、正直なところ「煩わしいな」と思っていました…
お客様と接して良い方だなと感じたうえで、自分がやりたいと思った行動でしたので。
そのように介入する人が多い状況だと、なんでも商売に繋げようとする力が働きがちです。
しかし作った家に住むのはあくまでお客様で、一番優先すべきはお客様の要望だと思っています。
自由にお客様の理想を追求できるように、今の環境を作り上げました。
■今後ニーズが増えるリフォーム、課題解決に一役買いたい
年々新築の棟数が減少傾向にある一方で、既存住宅の高齢化は変わらず進むものです。
美家が拠点としている京都府の場合は、「ウナギの寝床」と呼ばれる間口が狭いのに奥行きがある物件が多くあります。
無駄なく土地を使って物件が建っている状況なのですが、もし新しく建物を作るとなると2〜3軒をまとめて無くさなければいけません。
しかし京都府は高さ制限などの制約によって、投資に対して利回りの良い建物を建てることが難しいという事情があります。
よって、既存の木造住宅を再利用しようという動きが多くあり、リフォーム需要は今後も増えていくと思うのです。
住宅の経年劣化や空き家条例といった慢性的な問題を解決できるよう、今後もサービスを提供していきたいですね。
・ご相談の真剣度が以前より高くなっていることを実感
実際に以前よりも、ご相談をくださる方々の真剣度が高まっていることを実感しております。
ご相談に対してお見積りを出した後、数ヶ月経ってからご連絡をくださるなど、しっかり検討したうえでリフォームを選ばれる方が増えた印象です。
そういった点からも、住宅を住みやすくするということについて、深刻に考える方が多くなっているのかと判断しております。
お客様の本気にしっかり応えられることが、事業を伸ばしていくうえで非常に重要なポイントになっていくでしょう。
・ウナギの寝床や長屋など…京都の歴史・文化を活かした改修
京都府特有の建物事情には、先ほど述べたウナギの寝床や長屋が多いということが挙げられます。現在でも京都には多くの町家が残っており、観光名所にもなっています。京町家は江戸時代から続く建築様式であり、京都の風景を形作る重要な要素となっています。もし町並みが失われると、京都の歴史や文化も失われることになるでしょう。
歴史や文化を守るべく京都府の政策では、京町家を残し、次世代に伝えるために様々な取り組みを行っています。具体的な例としては、京町家条例の制定や京町家ツアーの開催などがあります。
これらの取り組みによって、京都の貴重な建築物とその背後にある歴史や文化を守り、多くの人々に紹介していくことが目指されています。
そういった町の取り組みと地域の想いも重なり、建物をリフォームしてそのままの形で永く住もうという考えが広まりつつあるのではないでしょうか。
美家では、京都の賑わいと京町家を継承する取り組みを理解したうえで、伝統的な意匠を活かしたリフォーム・リノベーション事業を推進していければと考えております。