こんにちは。京都府を拠点として新築やリフォーム・リノベーション工事、不動産売買を手掛けている株式会社美家です。
日本の風土と伝統が育んできた町家や古民家には、新築には出せない時を重ねた味わいがあります。
憧れの町家や古民家に暮らしてみたい、という憧れをかきたてられる一方、キッチンのような水回りは、現代の良さを取り入れて機能的にしたい!という方も多くいらっしゃることでしょう。
今回は、町家のキッチンリフォームで失敗しないためのポイントをご紹介します。
■悩むデザイン!キッチンレイアウトの型はどんなものがある?
まず悩ましいのが、どのデザインにするかということ。
キッチンのレイアウトのタイプを紹介します。
・壁付キッチン・I型
コンロ、シンク、調理台が横一列に並んだ壁付けキッチンのことで、省スペースでキッチンを設置できるメリットがあります。一方で、対面式にはならないので、調理中に家族に背を向けなければいけないことをデメリットと捉える人も。逆に料理に集中できる、とポジティブに捉える人もいます。
・壁付キッチン・Ⅱ型(2列型)
コンロとシンクをセパレートとして、I型キッチンを2列設置するレイアウトです。
2列にすることで壁付け+対面にできるメリットがあります。
この時、問題になるのが、壁付けと対面側、どちらの調理台にコンロとシンクを配置するべきか、ということ。一般的にはコンロの上のレンジフードの存在感が大きくならないように、コンロを壁付けにするケースが大半です。
・壁付キッチン・L型
その名の通りL字型をしたキッチンで、ワークトップが広いのが特徴で、料理好きな方に人気があります。
一般的にはシンクとコンロの距離が近くなるように、それぞれをL字の長辺・短辺に配置するので、下ごしらえや調理・洗い物がラクというメリットが。
集中したい場合は2面を壁付けに、集中・コミュニケーション両方を大事にしたい場合は1面だけを壁付けにするとよいでしょう。
・U型キッチン
L字型よりもさらにワークトップを広く設けられ、こちらも料理好きの方には人気のキッチンです。
ただしスペースが必要となるので、コンパクトなLDKの場合難しいこともあるかもしれません。
・アイランド型キッチン
対面式キッチンのなかでももっともポピュラーなタイプで、「島」という名前が示すよう、全方向からぐるりとアプローチすることができます。
アイランドキッチンにしたら、家族が積極的に家事を手伝うようになったという話も。
四周が開放されているため、リビング・ダイニングにも圧迫感を与えない人気のタイプです。
・ペニンシュラ型キッチン
「島(アイランド)」に対して「半島」と呼ばれるペニンシュラキッチンは、片方が壁付けになったキッチンです。アイランドキッチンは四周がオープンであるため、ある程度広い空間が必要になりますが、ペニンシュラキッチンは片側が壁なので、アイランドキッチンに比べて場所をとらないメリットがあります。
町家の間取り・広さによっては希望のキッチンレイアウトを取り入れるのが、難しい場合もあるかもしれません。
細い通り土間をそのまま活かすような間取りなら、壁付けキッチンが向いているでしょう。
もちろん物件ごとに間取りの特徴やリノベーションの方向は異なります。
既存の空間のポテンシャルを活かしながら、理想のキッチンを叶えられるよう、町家のリノベーションの実績豊富な建築会社に相談するとよいでしょう。
■町家などの古い住宅のキッチンリフォームの際にありがちな必要工事
さて、キッチンのレイアウトを決めたものの、いざ設計や現地調査が進んでくると、想定していたより多くの工事が必要になる、ということも。
途中で資金不足に陥っては元も子もないので、町家のリノベーションでよく行われる工事の種類を知っておきましょう。
・構造補強工事
古い町家は耐震的に問題があり、現在の耐震基準に足りていないという場合も。
家全体を支える柱や梁(はり)などの躯体が劣化していたり腐食が進んでいたりするケースもあり、構造補強工事が必要となります。
・水道・排水の配管工事
配管が劣化していたり、リノベーションで間取りを変えたりする際に、配管の位置を調整する必要が出てくるケースもあります。
特に既存の間取りから大きくキッチンの位置を変える場合は、配管工事が必要となる確率が高くなります。
・電気配線工事
町家では時として電気規格が古いということも。今は夏冬のエアコンはもとより、家電やコンピューターなど電気なしには暮らせません。電気配線工事をやり直したり、コンセントを増設するケースも多くみられます。
・断熱工事
京都の夏・冬が厳しいことは言うまでもありません。
とりわけ古い町家は寒い、と言われるように、そもそも断熱が施されていないということも。
また断熱材が入っていても、現在の基準と照らし合わせると、断熱材の量が少なかったり、劣化して効果を発揮していなかった、ということもあります。
ちなみに「建築物省エネ法」改正により、2025年4月から施行予定の住宅には、町家や古民家のような伝統的な建物も含めて、省エネ基準適合義務が生じます。
・防水工事
古い建物だと雨漏りが心配ですよね。経年劣化やひび割れ、腐食などから、家の中に雨水が浸入すると、町家の寿命を縮めてしまいます。
ダメージを放置している状態は危険ですし、最近は大雨被害もひどくなっているので、現状の補修だけでなく、この先の安全を守るために、防水工事をしておいたほうがよい、ということもあります。
■知らなかったということも!見落とされがちなポイントとは?
さて、次はキッチン・リフォームの落とし穴について。
理想のキッチンのレイアウトが決まったのはよいけれども、いざ、プロのリノベ業者に相談してみると、思いがけないポイントを指摘され、レイアウトを見直さなければならないこともあります。
つまづきがちなポイントを紹介します。
・換気設備
レンジフードは必須ですが、計画段階では意外と忘れがち。
そしてコンパクトな町家では、配置によっては、思いのほか存在感が大きくなることを知っておきましょう。
特にリノベーションでアイランドキッチンをリビング・ダイニングの中央に配置すると、空間の中央でレンジフードが存在感を放つことになります。
圧迫感をもたらしてしまうだけでなく、視線を遮ることもあるので、キッチンのレイアウトを考える際は、レンジフードの存在感にも留意しましょう。
・収納スペース
町家はコンパクトなので、キッチンの収納スペースが確保しづらいということも。
キッチンだけで収納が無理、という場合は、パントリーの設置もおすすめです。
半畳程度でも、あるとないのでは収納力が段違いですよ。
・照明設備
町家は天井が高い場合が多く、特に吹抜けの下にキッチンを配置する場合は、手元が暗くなってしまいます。
壁付けキッチンの場合は、壁にブラケットを取り付けることができるので、手元の照明を増やしやすいと言えるでしょう。
・土間
町家と相性が良いのが、土間キッチン。
ただし土間にするのなら、床下の土の部分に対して、防水・防蟻・断熱などの工事が必要になります。
また既存の土間をコンクリートで覆う場合は、建物の重量が増加するので耐震性に影響を与える可能性があることも知っておきましょう。
・撤去できない柱や梁
ここにキッチンをレイアウトしたい……と思っても、既存の柱や梁があるため設置できない、ということも。
基本的に町家は、柱や梁で支えられており、むやみに取ることはできません。
耐震性や建物の強度を損ねてしまうので、既存の柱や梁を活かしながらレイアウトを考える必要があります。
・希望のレイアウトは家事導線が良くない……?
一般的に町家は間口に対して奥行きが深い、細長い形をしています。憧れの対面式のアイランドキッチンにしてみたものの、四周を回るため意外と家事動線が長く、なんだか使いづらい……ということも。
またアイランドキッチンは四面どこからでもアプローチができる分、周囲を歩けるスペースが必要となります。またご家族が多い場合は、複数がすれ違える幅が必要になるので、アイランドキッチンが他のスペースを圧迫するというケースもあります。
■暮らしの要となるキッチンリフォームは、町家を熟知したリノベ専門業者・美家にお任せください!
もちろん町家でアイランドキッチンがおすすめでない、というわけではありません。
ひと口に町家といっても、その家の歴史や立地、間取りが1軒1軒異なるように、キッチンもお施主様の個性と町家の特徴を宿した、オンリーワンであるべきです。
そのためには町家の特性を熟知し、提案力のある建築会社に依頼するのが得策です。
キッチンレイアウトのタイプは希望のもので、本当に問題がないか。
古い住宅でありがちな、想定外の改修工事がかさばって、大幅な予算オーバーにならないか。
素人では気付きにくい落とし穴も、親切に教えてくれるかどうか。
……こうしたきめ細やかなサポートをしてくれる業者へ依頼することをおすすめします。
株式会社美家は、・物件探しから資金計画、リノベーションの設計・施工、アフターサービスまでを一貫して行う、町家を熟知したリノベーション会社です。
職人も工事責任者も自社のスタッフなので、社内の風通しもよく、品質やコミュニケーションに妥協しません。
コストについても中間マージンや仲介手数料がそもそも発生しないので、明確で適正な見積もりを提示することができます。
デザインもお客さまの好みや要望に合わせたオーダーメイド。
ご要望をていねいにヒアリングし、その町家の特徴とすり合わせをしながら、ご予算やライフスタイルに合わせた最適なプランをご提案いたします。
最新の断熱や耐震など工法にも詳しく、ソフト・ハードいずれの面も、安心してお任せください。
公式のLINEもInstagramもありますので、お気軽にお問い合わせくださいね。
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