家の狭さが気になる際に、増築を検討する方もいるでしょう。しかし、増築をするためにはさまざまな要件を満たす必要があり、実際には増築したくてもできないケースがよくあります。
今回はそんな方に向けて、増築できない場合でも家を広く見せるリノベーションのコツをご紹介します。
■広くしたいのに増築できない物件があるのは本当?
「現在の住まいが手狭になったので増築したい」「中古物件を購入後、増築してから住みたい」というケースはよくあるものの、実際には増築したくてもできない物件もあるため注意が必要です。
・なぜ増築できないのか
ここでは増築ができない理由について、それぞれ解説していきます。
① 文化財や景観地区にある家屋
文化財や景観地区にある家屋は、増築の際に申請が必要です。京都市では眺望景観創生条例に基づいて、景観地区(美観地区・美観形成地区)において増築を行う際には申請手続きが必要で、審査に通らなければ増築ができません。
京都の景観条例には外観や建物の高さ、屋外の住宅設備などに細かい規定が設けられています。該当地区での増築も、景観ガイドラインに則ったものでなければなりません。
② 接道義務違反の家屋
建築基準法において、都市計画区域と準都市計画区域内の建物は「幅員4m以上の道路に間口が2m以上接していなければならない」という接道義務が定められています。この法律ができる前に建てられた家屋は接道義務の条件を満たしていない場合があり、その場合は「再建築不可物件」となります。再建築不可物件は、原則として増築もできません。
京都市の街並みは平安京がベースにあり、碁盤の目状の街路は道幅が狭く、接道義務の条件を満たしていない場合も多くあります。
③ 耐震基準を満たしていない家屋
1981年6月から適用されている「新耐震基準」以前の建物は「旧耐震基準」により建てられており、増築ができない場合があります。既存面積の2分の1以下の増築をする場合は耐震診断によって安全を確認し、既存面積の2分の1を超える増築をする場合は現行法令の規定に適合させることとされています。
京都には歴史を感じる古い建物が多くありますが、特に1981年6月以前の旧耐震基準の家屋については、増築が難しい場合があることを理解しておきましょう。
④ 建ぺい率や容積率を超えている家屋
既存の建物の延床面積が建ぺい率と容積率の上限に達している場合は、増築ができません。「建ぺい率」とは敷地面積に対する建築面積の割合、「容積率」とは敷地面積に対する延床面積の割合を意味します。
建ぺい率や容積率は、自治体のホームページや役所の都市計画に関する窓口で確認できます。現在の床面積がわからない場合は、登記簿謄本や登記事項証明書で確認しましょう。
建ぺい率や容積率をオーバーするような増築は違反建築物となってしまうので、十分気をつけましょう。
■増築できなくても、リノベーションは可能?
増築できないと手狭なままになってしまうとお困りの場合、リノベーションで暮らしやすくできないかとお考えの方もいるでしょう。ここでは増築できない場合でもリノベーションが可能かについて解説します。
・増築ができない条件下でもリノベーションは可能な場合が多い
増築ができない条件の家屋においても、リノベーションであれば可能な場合が多いです。リノベーションで間取りを変更しても延床面積は変わらないので、建ぺい率や容積率をオーバーする心配はありません。また、接道義務違反で増築はできない場合も、建築確認申請のいらない範囲であればリノベーションが可能です。
■古い狭いお家でもリノベーションで広い空間づくり
古くて狭いお家でも、リノベーションの工夫しだいで広々とした空間づくりが可能です。ここでは狭い家を広く見せるためのポイントを紹介します。
・LDKの間取り変更
LDKの間取りを工夫して変更することで、広く開放感のある空間を実現できます。例えばLDKに隣接した一室をつなげるように壁を撤去することで、LDKを広くすることが可能です。
・収納の大きさなどの間取り変更
間取り変更によって適切な場所・容量の収納スペースを確保することで、部屋をすっきり見せることが可能になります。たとえばウォークインクローゼットやパントリーなどを設けることで部屋がすっきりし、より空間を広く使うことができるでしょう。
・玄関の位置も大きく移動
間取りを変更することで廊下を減らせれば、限られた床面積を有効活用できるようになります。たとえば玄関の位置を移動すると、廊下のスペースをうまく削れる場合があります。その際、風通しがよくなるような間取りを意識するのがおすすめです。京都は盆地であることから夏は蒸し暑いため、空気の流れを意識した間取りを意識するとよいでしょう。
■間取り変更するリノベーションで注意すべきポイントは?
間取りを変更するリノベーションでは、部屋の広さ以外にもいくつか気をつけるべきポイントがあります。
・収納を確保する
部屋を広くすることに重点を置きすぎると、収納スペースが足りなくなってしまい、居住スペースに物があふれてしまう恐れがあります。実際の暮らしを具体的にイメージし、適切な収納スペースを確保しましょう。
・何を目的にどう変更したいのか整理して考えよう
リノベーションをする際に、ただ「広く見せたい」のように漠然としたイメージのままではうまくいきません。「家族みんながくつろげるよう、リビングのスペースを確保する」「家事動線が悪いので、水回りをなるべくまとめたい」など、具体的に整理して考えることが大切です。
■間取り変更の費用相場
ここでは間取り変更の費用相場を紹介します。
・主なフルリフォームのリフォーム費用
フルリフォームの主な費用は次の通りです。
・間仕切りを設置する場合のリフォーム費用
間仕切りを設置するリフォームの主な費用は次の通りです。
ただし、リフォーム費用はマンションと戸建てでまったく異なるので注意が必要です。京都でのリフォームをお考えの方は、京都のことを理解している地場の業者「美家(びはうす)」にぜひご相談ください。
京都市の株式会社美家は、京都府のリノベーション・リフォームに対応しております。京都府内の店舗やゲストハウスへのリノベーション工事などの経験が豊富にありますので、家の狭さにお悩みの場合もぜひ弊社にお任せください。
美家は物件探しから資金計画、リノベーションの設計・施工、アフターサービスまでを一貫して行うワンストップのリノベ専門業者です。お客様の夢を叶えるために、土地探しから設計施工、アフターメンテナンスまで伴走します。
増築できない家屋や部屋を広く使うためのリノベーションを検討している方は、ぜひ一度ご相談ください。そのほか、住まいのことでお悩みやお困りごとがありましたら、些細なことでもお気軽にご連絡ください。
以下の記事では、業者選びの際に確認すべきポイントや、失敗しないための注意点を解説しています。ぜひ参考にしてみてください。